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精神としての身体
セイシントシテノシンタイ
- 著: 市川 浩

近代の哲学は、身体の問題を奇妙に無視してきた。しかし、人間の現実存在は、身体をはなれてはありえない。身体であるということが、人間が単に考えうる可能的存在ではなく、現実的存在であるゆえんをなしているからである。本書では、こうした観点から、身体をポジティヴなものとしてとらえ、人間的現実を、心身合一においてはたらく具体的身体の基底から、一貫して理解することをめざしている。
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目次
1 現象としての身体
1.主体としての身体
2.客体としての身体
3.私にとっての私の対他身体
4.他者の身体
5.錯綜体としての身体
2 構造としての身体
1.はたらきとしての構造
2.向性的構造
3.志向的構造
4.身体の私性
5.自己と他者
6.構造の生成
1.共可能性
2.地化
3.図化
4.変換
5.中心化
6.脱中心化
7.同調
8.組み込み
7.精神としての身体
3 行動の構造
1.行動と生活世界
2.癒着的形態の行動
1.引きつけと拒斥
2.収縮
3.有向反応
3.可能的生への展開
1.はたらきとしての身体の階層化
2.定位移動
3.原始的情感性
4.支配の中枢化
5.把捉
6.原始的情動と社会生活
4.可動的形態の行動
1.脳化と皮質化
2.幻像的世界から現実的世界へ
3.前肢操作
4.介在物の利用
5.道具の使用
6.用具の保存・製作
5.シンボル的形態の行動
1.用具行為と言語行為
2.記号性の自覚
3.記号の理解と感応的同調
4.記号の定型化
5.記号の分節化
6.思考と言語
7.自己中心的言語と内言化
8.内言化と反省意識
9・シンボル化と現代文明
書誌情報
紙版
発売日
1992年04月06日
ISBN
9784061590199
判型
A6
価格
定価:1,243円(本体1,130円)
通巻番号
1019
ページ数
338ページ
シリーズ
講談社学術文庫