
ドイツの大学 文化史的考察
ドイツノダイガクブンカシテキコウサツ

19世紀から第1次世界大戦にかけてドイツの大学は過激派学生が登場し、大学紛争が頻発した。放縦な生活を送る学生と専門研究に没頭する教授たちで大学は混迷をきわめていた。だが、こうした中で豪華絢爛たる学生文化と科学革命が花開いた。ドイツの大学は世界の大学のモデルとなり、憧れの的となったが、やがて軍国主義の波にのみこまれていった。ドイツの大学のおいたちを文化史的にさぐる好著。
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目次
●1 戦場からもどってきた若者たち
若者の戦争体験/パートタイム学生/バンカラ大学イエナ/ブルシェンシャフト運動/ファッション革命 ほか
●2 過激派学生の登場
青年講師カール・フォレン/テロリズム/ハーバードの初代/独文教授/カールスバードの決議 ほか
●3 武装する学生たち――ウィーンの学生軍団
ウィーンの民衆暴動/大学軍団の結成/大学講堂を占拠する革命派内部での抗争/学生の請願書/「博士革命」から「学生革命」へ ほか
●4 紛争渦巻くベルリン大学
三月革命のグナイスト/私講師/大学教師のふところ具合/なぜ若者は大学教師になりたがったか/明治の日本留学生が見た私講師 ほか
●5 花開く学生文化
外国人の見たドイツの大学/革命の挫折とキャンパスの変化/碇泊集団としての学生組合/決闘文化/強制された遊戯 ほか
●6 勉強文化と遊び文化
国家試験と博士試験/明治の独逸学協会/御雇外人ミヒャエリス/栄光燦然たる法学博士/金で手にいれた博士号 ほか
●7 科学革命の拠点
トップに躍り出たドイツ科学/生理学と物理学の場合/「フンボルト理念」と「競争モデル」/野放しの教授人事/大学管理の中央集権化 ほか
●8 学問大国を支配した男――“影の文相”アルトホーフ
“高等教育のビスマルク”/大学教師を自由に操る/アルトホーフ体制とは何か/研究組織・資金の巨大化/ふところにピストルを ほか
書誌情報
紙版
発売日
1992年04月06日
ISBN
9784061590229
判型
A6
価格
定価:1,056円(本体960円)
通巻番号
1022
ページ数
324ページ
シリーズ
講談社学術文庫