
テキストと実存 ランボー・マラルメ・サルトル・中原と小林
テキストトジツゾン

ランボー、マラルメ、ベルクソン、サルトルらの作品を読み解く著者の目差しは、時に敵対しあうかに見える作家・思想家のテキスト間に、主題体系の共有という思いがけない〈関係〉を見出す。それは現代思想の最も重要な《差異》の生産としての《読むこと──書くこと》の実践であり、《間テキスト性》から人間了解の深みへと斬りこむ身振りであった。猖獗する「様々な意匠」の祖述者の群れから一頭地を抜く独創的論考。
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目次
●1 ランボー(1854──1891)
1 今、なぜランボーか
2 酔い痴れた船
3 「酔い痴れた船」について
4 待っていたランボー
5 ランボー「後期詩篇」の問題点
6 ランボー〈記憶(メモワール)〉についての覚書(メモワール)
●2 マラルメ(1842──1898)
1 マラルメの存在論的肖像《不在の神》の道化師
2 マラルメの責任敢取(アンガージュマン)〈詩〉と〈自殺〉の観念について
●3 サルトル(1905──1980)
1 サルトルにおける〈間テキスト性〉の問題『嘔吐』が『失われた時を求めて』のパロディであること
2 円環は閉じられたこと
●4 中原中也(1907──1937)と小林秀雄(1902──1983)
1 わが中也論序説
2 小林秀雄の「ベルグソン論」について
●5 翻訳における〈了解〉の問題
1 〈了解〉と翻訳可能性
2 〈了解〉と実践
書誌情報
紙版
発売日
1992年09月04日
ISBN
9784061590410
判型
A6
価格
定価:1,068円(本体971円)
通巻番号
1041
ページ数
398ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1988年 青土社刊