
生きものの建築学
イキモノノケンチクガク

建築の近代化は、人びとの住意識を急激に変えてきた。本書は、自然界の生きものの巣を探索し、豊富な図版や写真を駆使して現代建築が置き忘れた問題点を模索する。クモの巣と重力の法則やハタオリドリの営巣と引っぱりの力、またビーバーのダムやシロアリの塚づくりにみる巧妙な技術など、混迷と行きづまりに悩む現代の建築観に語りかけるものは多い。生きものたちの巣づくりに学ぶ現代建築評論。
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目次
●第1章 幾何学のない家
巣箱/規と矩と/内的建築 ほか
●第2章 吊り下げる家
重力との葛藤/引っぱり/逆吊り実験 ほか
●第3章 水に浮く家
鳰(にお)の浮巣/海上の都市/ノアの方舟 ほか
●第4章 地中の家
PL幼稚園の校舎/アングラ派/チューブ恐怖 ほか
●第5章 空気のめぐる家
「省エネ」の課題/自然と手を結ぶ/シロアリ ほか
●第6章 土でつくる家
裸の王様/左官仕事/美学をもつ蜂 ほか
●第7章 高層の家
女王バチ/六角柱/可塑材料 ほか
●第8章 愛のための家
〈装飾〉の復活/庭師鳥/装飾の達人 ほか
●第9章 威嚇のための家
おどし/なわばり/凱旋道路 ほか
●第10章 バベルの家
ある反省/崩壊しはじめた〈幻想〉/おわりに
書誌情報
紙版
発売日
1992年09月04日
ISBN
9784061590427
判型
A6
価格
定価:961円(本体874円)
通巻番号
1042
ページ数
312ページ
シリーズ
講談社学術文庫