
詩学と文化記号論
シガクトブンカキゴウロン

現代の思想全般に衝撃的な影響をもたらしたのは、言語についての新しい認識である。すなわち言語を単なる表現・伝達の手段をしてではなく、意味を読み取り、意味を創り出す〈認知〉の役割を果たすものと捉えるのである。人間が生み出すあらゆる文化現象を言語をモデルにして成立した記号として把握する文化記号論と、文学を対象とする詩学の現代的局面を、認知言語学の第一人者が明快に論じた意欲作。
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目次
●1 言語と文学――言語学と詩学
・第1章 言語学から詩学へ
1 言語学の対象としての文学(作品)
2 言語学的方法の適用の試み
3 言語学的方法の延長の試み ほか
・第2章 テクストの言語学とテクストの詩学
1 テクストとテクスト性
2 テクストの細部的な構造
3 テクストの全体的な構造 ほか
・第3章 言語学とナンセンス
●2 言語と文化――言語学と文化記号論
・第1章 言語学から記号論へ
1 「伝達」と「意味作用」
2 「伝達」と「意味作用」のモデル
3 記号体系としての言語 ほか
・第2章 エーコの記号論
1 〈文化の論理〉へのアプローチとしての記号論
2 〈意味作用〉対〈伝達〉
3 〈記号〉対〈記号機能〉、あるいは〈コード〉対〈コード作成〉 ほか
・第3章 言語の型と文化の型
1 言語と文化――初期の類型論
2 言語と文化と精神――ウォーフの言語的相対論
3 文化の記号論へ
・第4章 〈スル〉的な言語と〈ナル〉的な言語
1 はじめに
2 〈個体〉的な項の表現をめぐって
3 〈人間〉的な項の表現をめぐって ほか
書誌情報
紙版
発売日
1992年11月04日
ISBN
9784061590519
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
1051
ページ数
384ページ
シリーズ
講談社学術文庫