
脳と心のメカニズム
ノウトココロノメカニズム

心とは何か。意識とは、思考とは、記憶とは何か。未熟な脳で生まれた無垢の人間は、5カ月もすると急激に変貌する。刺激――反応による本能的・機械的行動にとどまらない選択的・自発的活動を示す。「意思」による高級な行動。この人間にのみ特有の脳機能の中枢に位置するのが神経細胞――ニューロンである。本書はニューロンの電気現象の解明という物理学的アプローチから、人体究極の謎「脳と心」に迫る。
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目次
第1章 脳を知る
1 意識と脳波
2 脳と心――唯識の世界
3 人間の脳、その特質
4 脳のもつ情報
5 人間の脳サルの脳
第2章 脳のメカニズム
1 ニューロンは生きている
2 ニューロンの活動
3 ニューロンとシナプス機構
4 伝達物質の放出
5 インパルス伝達の本態
6 ニューロンの興奮
第3章 運動のしくみ
1 心と結びついた歩行
2 運動のプランから実行まで
3 インパルス時系列
4 運動のプラン
5 開ループ方式のプログラム
6 反射運動のしくみ
7 随意運動のしくみ
第4章 知覚について
1 感覚と知覚
2 感覚の発生
3 感覚から知覚へ
4 図形の抽出
5 形態視と空間視
6 認知ということ
第5章 記憶とはなにか
1 電気刺激による記憶の再現
2 認知から記憶へ
3 記憶のニューロン機構
4 学習効果の成立
第6章 思考にせまる
1 思考はいかにして形成されるか
2 「思考」研究法
3 思考はいかに表現されるか
4 言語中枢と左右大脳半球
5 思考の神経生理学
第7章 意識をさぐる
1 意識水準の賦活
2 音楽脳と視床
3 言語脳と視床
4 意識――生存の基本
5 左右半球分離
6 夢
第8章 人間の脳形成
1 ニューロンの誕生から機能の獲得・形成まで
2 脳機能の因果性と特異化
3 母国語形成と創造性思考
書誌情報
紙版
発売日
1993年02月04日
ISBN
9784061590601
判型
A6
価格
定価:812円(本体738円)
通巻番号
1060
ページ数
254ページ
シリーズ
講談社学術文庫