
ルネサンスと宗教改革
ルネサンストシュウキョウカイカク

ルネサンスと宗教改革は他ならぬ「中世」の嫡子であり、その間に断絶はない。にしても、敬虔な「中世の秋」の暮れたところから、光輝あふれる人間主義の新時代が始まったのも事実。神の国から地上の国へ。ここに宗教的桎梏から解き放たれた人間の、芸術と思想の花が絢爛と開花し、近代文明の母胎となった。世界史のなかで最も華麗で波瀾にとんだ300年間を興味深いエピソードと「旅情」で綴る西洋歴史物語。
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目次
●1 神の国と地上の国
アウグスティヌスの「神の国」/神の国から地上の国へ(1)/神の国から地上の国へ(2) ほか
●2 新しい生
ある愛の物語/中世最後のひと/ヴァザーリの「美術家伝」 ほか
●3 花の都
若き日の沢木四方吉/フィレンツェの京都/金の力 ほか
●4 金の世の中
商人根性/ボッカッチョとヴィラーニ/やりくりと結婚プレゼント ほか
●5 赤裸の権力
戦国時代をくらべる/ヴィスコンティ悪行法/強襲の人 ほか
●6 失われた時をもとめて
アヴィニョンをたずねて/ペトラルカの登山/悩めるたましい ほか
●7 万能の天才
花の都のコンクール/職人と芸術家/ジョットの逸話 ほか
●8 西欧ヒューマニストの栄光と挫折
北方ヒューマニズムの王者/虚構と真実/悲劇的な最期 ほか
●9 カトリックとプロテスタント
カトリック教会/プロテスタントということば/ふたつのプロテスタンティズム ほか
●10 信仰ひとすじ
私はここに立つ/運命の星かがやくとき/改革の条件 ほか
●11 騎士と死神と悪魔と
一対の名画/誇りたかきニュルンベルク人/自画像 ほか
●12 自由か独裁か
自由の証人/自由からの遁走/カッペルに死す ほか
●13 禁欲思想の系譜
禁欲東と西/勤労のすすめ/怠惰のすすめ ほか
●14 剣と教え
陥穽と振子/宗教裁判の歴史から/トレドの秋/禁じられた本 ほか
●15波濤のかなた
未知の大海原/ヨーロッパ人の世界的発展/征服と宣教 ほか
●16 女王と海賊
イギリス史上の女王/青鬚王の6人の妻/青鬚王の遺児たち ほか
●17 政治への道
宗教から政治へ/市民の楽園/策略好きのイタリア女 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1993年02月04日
ISBN
9784061590625
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
1062
ページ数
348ページ
シリーズ
講談社学術文庫