
映像の芸術
エイゾウノゲイジュツ

戦後文学を代表する批評家である著者は、多年にわたる内外の映画批評を通して、独自のリアリズム理論を構築した。1950年代イタリアのネオ・リアリズム映画に始まるヴィスコンティ、ロッセリーニ、フェリーニらの卓越した映画技法をそれぞれの代表作について具体的に論じ、さらに日本映画の特質と可能性に言及する。時代を映す鏡として、今や最大の大衆文化に発展した映画への同時代批評の集大成。
- 前巻
- 次巻
目次
●1 映画リアリズム論
・芸術としての映画
・スナップ的方法・序
●2 ヴィスコンティ、ロッセリーニ、フェリーニ
・ヴィスコンティのリアリズム
・ロッセリーニと戦争映画
・フェリーニの創作方法
●3 映画の同時代性
・衣笠貞之助「狂った一頁」「十字路」──現代映画への刺激剤
・今井正
・山本薩夫「真空地帯」
・黒沢明のシナリオについて
・大島渚「日本の夜と霧」
・今村昌平「人間蒸発」
・日本映画は何によって世界に主張するか
・エイゼンシュテイン
・ルイス・ブニュエル覚え書
・ジャン・ルノワール「黄金の馬車」
・アストリュック「女の一生」の叙述的スタイル
・アラン・レネ「二十四時間の情事」──ヒロシマで人を愛するとはどういうことか?
・ユルマズ・ギュルネイ「群れ」「敵」「路」
・アキ・カウリスマキ「コントラクト・キラー」
・私映画考
書誌情報
紙版
発売日
1993年03月04日
ISBN
9784061590656
判型
A6
価格
定価:1,068円(本体971円)
通巻番号
1065
ページ数
380ページ
シリーズ
講談社学術文庫