
アルチュセ-ルの思想
アルチュセールノシソウレキシトニンシキ

唯物論的発展段階説、人間疎外論、社会主義革命論──マルクス主義は硬直した言説(イデオロギー)に覆い尽されている。それら矮小なレッテルを退け、アルチュセールは、マルクスの思想をその可能性の中心において読み解く。歴史と社会に関する科学的認識の理論として。空前の哲学革命・科学革命の理論としてのマルクス主義を未来へ向けて再生し、構造主義=ポスト構造主義への地平を拓いた現代思想の巨人の全体像を描く。
- 前巻
- 次巻
目次
第1章 アルチュセールの哲学への一般的序説
1 認識論的接近
2 古典派経済学・ヘーゲル・マルクス
3 歴史観上の「認識論的断絶」
4 科学革命
5 哲学革命
6 フランス認識論とアルチュセール
〈補論〉 アルチュセールとフランス認識論
1 アルチュセールの仕事
2 科学的実践
3 科学とイデオロギー
第2章 マルクス主義と認識論
1 はじめに
2 認識論の課題
3 読解上の諸問題
4 読解方法の二形態
5 経験主義批判
6 マルクスの認識論
第3章 理論的実践の構造
1 はしがき
2 認識論(エピステモロジー)
3 理論的実践の理論
4 結論
第4章 理論的実践の一例──マルクス『経済学批判序説』の分析──
1 はじめに
2 マルクスの古典派経済学批判
3 『経済学批判序説』の分析
4 生産様式
5 結語
第5章 歴史と弁証法
1 はしがき
2 マルクスとアルチュセール
3 弁証法の問題(1)
4 弁証法の問題(2)
5 弁証法の問題(3)
6 社会的全体性(1)──ヘーゲル
7 社会的全体性(2)──マルクス
8 結語
第6章 歴史と認識──アルチュセールとアルフレート・シュミット──
1 はじめに
2 「歴史に対する構造主義の攻撃」
3 『歴史と構造』
4 若干の問題
第7章 思想と政治──アルチュセールとジョン・ルイス──
1 はじめに
2 ジョン・ルイス
3 アルチュセール
4 《断絶》論の再考
5 『ルイスに答える』の問題性
第8章 マルクス主義と社会科学──ひとつの小学界展望──
1 マルクス主義と社会科学
2 アルチュセール学派の仕事
3 マルクス経済学のルネサンス
4 イデオロギー論と人類学
書誌情報
紙版
発売日
1993年08月04日
ISBN
9784061590892
判型
A6
価格
定価:1,068円(本体971円)
通巻番号
1089
ページ数
396ページ
シリーズ
講談社学術文庫