
釋迢空 詩の発生と<折口学>―私領域からの接近
シャクチョウクウ
- 著: 藤井 貞和

日本古典学と民俗学の第一人者折口信夫は、釋迢空(しゃくちょうくう)の名で知られる歌人でもあった。本書は、「海やまのあひだ」「古代感愛集」「倭(やまと)をぐな」等の代表的歌集を読み解くことによって、釋迢空の詩魂の苦悩と求道の道程をたどり、学問と詩を融合した巨大な折口学の核心に迫らんとする。日本文学の中心に詩を回復させることをめざした〈近代批評の真の批判者〉をしての釋迢空・折口信夫の全体像を明示した野心作。
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目次
●1 自然と鎮魂のフォークロア
1 五月雨(さみだれ)に打たれて
2 孤独と自然
3 流離を飼う
4 まつりこし
5 近代の眠りと〈折口学〉
6 信仰喪失の喪失
7 復活について
●2 詩の発生、その他
・美しい次代の俤(おもかげ)――釋迢空と詩の発生
・折口詩と「もの」の声
・詩語の研究・批評の成立――釋迢空の詩論
・うたの発生・一面――〈折口学〉をめぐり
・国学か信仰か文学か――折口信夫の晩年まで
●3 詩創造の源泉をめぐって――短歌の批判
1 文体と思想
2 形式と文体
3 詩の不在と回生
4 文学のつよさともろさ
書誌情報
紙版
発売日
1994年04月04日
ISBN
9784061591219
判型
A6
価格
定価:812円(本体738円)
通巻番号
1121
ページ数
248ページ
シリーズ
講談社学術文庫