世紀末ドイツの若者

世紀末ドイツの若者

セイキマツドイツノワカモノ

講談社学術文庫

ドイツの若者のイメージを代表するワンダーフォーゲルは、反世紀末的で、反デカダン的であった。彼らは世紀末を、次の世紀への跳躍の兆候としてとらえた。若者が創り出した雑誌「ユーゲント」も未来への希望を表現した。ドイツの世紀末は、パリやウィーン風の終末論的世紀末と異なり、未来志向の世紀末転換期であった。世紀末に生きるドイツの若者の生態を文化史的観点から斬新に描いた名著。


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目次

●1 遍歴する若者たち
中世の遍歴学生への眼ざし/「群れ」を好む若者/速記術グループのワンデルン/若者集団の支配秩序/大人の価値観と若者の価値観/「ワンダーフォーゲル」 ほか
●2 ワンダーフォーゲルの思想と背景
父兄と手を結んで/「郷土(ハイマート)作家」とワンダーフォーゲル/シュテグリッツの知識人/グルリットとゲルマン信仰/キリスト教廃棄と非キリスト教者 ほか
●3 「自由ドイツ青年」
「自由ドイツ青年」の誕生/ホーエ・マイスナーに集まった人たち/当時のベストセラー小説/ハンブルクのワンダー団体と自由学校共同体/ヴィネーケンの思想 ほか
●4 世紀末の大学生気質(かたぎ)
キリスト教と大学/ライフ・サイクルの中の堅信礼/大学祭のイヴェント/新入生の加入儀礼/クラブへの勧誘
●5 若者と性
性とその時代背景/ワンダーフォーゲルの性モラル/若者の性意識/青年運動と性 ほか
●6 ボヘミアンとコロニー
遍歴(ワンデルン)とボヘミアン/「ジンプリツィシムス」/ユーゲントシュティール/若きウィーン/カフェ ほか
●終章 世紀転換期から30年代へ
●世紀末・共時態としての若者/ナチズムへの連続性と断絶性

書誌情報

紙版

発売日

1994年08月04日

ISBN

9784061591363

判型

A6

価格

定価:898円(本体816円)

通巻番号

1136

ページ数

296ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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