
小泉八雲 西洋脱出の夢
コイズミヤクモセイヨウダッシュツノユメ
- 著: 平川 弘

西洋人でありながら、小泉八雲として日本人以上に日本を愛し理解したラフカディオ・ハーン。本書では多くの資料を駆使して夏目漱石やマーク・トゥエインなど同時代の作家と比較、また不幸な幼年時代や来日前のアメリカでの新聞記者時代にも光を当てるなど、様々な角度からハーンの全容を分析検証した。今なお日本人の心に生き続ける古びることのない八雲文学の魅力の秘密を、鮮やかに論考した名著。
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目次
●第1章 小泉八雲の心の眼
ニューオリンズの朝/松江の朝/家庭のない人、ある人 ほか
●第2章 子供を捨てた父──ハーンの民話と漱石の『夢十夜』
二人の英文学教授/出雲の民話/『夢十夜』の第三夜 ほか
●第3章 泉の乙女──ハーンの再話文学の秘密
帰って来た宣教師/ポリネシアの神話/『異文学遺聞』 ほか
●第4章 稲むらの火
日本国民の文化遺産/稲むらの火/ジャーナリズムへの関心 ほか
●第5章 一異端児の霊の世界──来日以前と以後のハーン
ミシシッピー河の昼/ミシシッピー河の夜/波止場の牧歌 ほか
●第6章 草ひばりの歌──ハーンにおける民俗学と文学
日本行の計画書/民俗学と文学の間/ひどい宿、幸ふかい宿 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1994年09月05日
ISBN
9784061591431
判型
A6
価格
定価:1,068円(本体971円)
通巻番号
1143
ページ数
430ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1981年1月、新潮社より刊行