
歴史学概論
レキシガクガイロン
- 著: 増田 四郎

歴史学とは何か。古代ギリシアのヘロドトスから、ローマ帝国末期のアウグスティヌス、ルネサンスの人文学者やフランスの啓蒙思想家を経て、19世紀ドイツのランケに至って近代歴史学は成立した。その発達段階を明快に分析しながら、古代から中世への転換期の歴史意識の研究など、現代思想学の問題点をも論及。西洋史学の泰斗が、「歴史することの妙味」と歴史を学ぶ心構えを懇切に説いた必読の書。
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目次
●第1部 歴史学とは何か
第1章 日本人と歴史
第2章 歴史的なものの考え方について
第3章 歴史学の発達
1 古代および中世の歴史記述
2 近代歴史学の成立
3 近代歴史学の分化
第4章 現代歴史学の特性と課題
1 二十世紀前半の歴史学
2 第二次大戦後の動向
第5章 歴史学と他の学問領域との関係
1 歴史的視野の広さ
2 人文諸科学との関係
3 社会諸科学との関係
第6章 歴史学の分化と歴史補助学の発達
1 歴史学自体の分化
2 歴史補助学の発達
第7章 歴史学研究への具体的な途
1 歴史の学び方
2 史科の種類
3 研究の具体的操作
●第2部 現代歴史学の問題点
第1章 ヨーロッパにおける歴史研究の課題と方法
1 転換期の歴史意識
2 いわゆる「ヨーロッパの問題」
3 新しい研究操作への模索
4 われわれの今後の課題
第2章 歴史と現実
1 わが国における西洋史研究
2 世界大戦と西ヨーロッパの歴史学界
3 新しい研究方法としての地域史研究
4 われわれの今後の課題
第3章 地域史研究の効用と限界
1 現代歴史学の一課題
2 地域史研究の先覚者たち
3 地域史研究の効用と限界
4 わが国歴史学界への希望
書誌情報
紙版
発売日
1994年09月05日
ISBN
9784061591448
判型
A6
価格
定価:1,056円(本体960円)
通巻番号
1144
ページ数
326ページ
シリーズ
講談社学術文庫