
現象学と表現主義
ゲンショウガクトヒョウゲンシュギ

フッサールの現象学の観念論と、文学上の表現主義とを共通の思考形態に帰一させようと試みたフェルマン。彼はフッサールの思考をホフマンスタールやムージル、バルトらの表現主義作家たちの思考との構造上の親縁性を跡づけ、さらに現象学をフロイトの精神分析に近づけることになった還元思想の変容を追跡する。フッサールの現象学の展開をドイツの社会史、精神史のうちに斬新に捉えた画期的論考。
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目次
1 現象学的還元の謎――問題と展望
2 心理学的論理学
3 還元論の3つの難点
4 現実性――ヨーロッパのデモーニッシュな概念
5 詩人と哲学者――ホーフマンスタールとフッサール
6 弁証法的主観性
7 現実感覚と可能性感覚
8 表現主義的思考形態としての現象学的還元
9 戦後の現実
10 還元の変容
11 主観性の隠れた力
12 現象学と精神分析的方法
13 真の現実という神話
書誌情報
紙版
発売日
1994年10月04日
ISBN
9784061591479
判型
A6
価格
定価:726円(本体660円)
通巻番号
1147
ページ数
202ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
訳: 木田 元(キダ ゲン)