
新装版 文学評論
シンソウバンブンガクヒョウロン

英国留学より帰国した漱石が、東京帝大で講義した18世紀の英国文学をまとめた名著。トーリー党とウィッグ党の争いや、当時流行した珈琲店、倶楽部の様子など、社会と風俗をあざやかに再現。それを背景に登場した『ガリヴァー旅行記』のスウィフトや『ロビンソン・クルーソー』の作者デフォーなどを独自の観点から論じた。的確でユーモア溢れる名講義は比類なき文学評論としてなお高く評価される。
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目次
●第1編 序言
●第2編 18世紀の状況一般
・1 18世紀における英国の哲学
・2 政治
・3 芸術
・4 珈琲店、酒肆および倶楽部
・5 ロンドン
・6 ロンドンの住民
・7 娯楽
・8 文学者の地位
・9 ロンドン以外地方の状況
●第3編 アディソンおよびスティールと常識文学
・1 常識
・2 訓戒的傾向
・3 ヒューモアとウイット
●第4編 スウィフトと厭世文学
・風刺家としてのスウィフト
・スウィフトの伝記研究の必要
・「桶物語」
・「ガリヴァー旅行記」
●第5編 アレキサンダー・ポープといわゆる人工派の詩
・1 ポープの詩には知的要素多し
・2 ポープの詩に現れたる人事的要素
・3 ポープの詩に現れたる感覚的要素
・4 超自然の材料
・「ダンシアッド」
●第6編 ダニエル・デフォーと小説の組立
・デフォーの作品
・小説の組立
・デフォーの作に以上の統一なし
・デフォーの文章
書誌情報
紙版
発売日
1994年11月02日
ISBN
9784061591530
判型
A6
価格
定価:1,495円(本体1,359円)
通巻番号
1153
ページ数
646ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
その他: 櫻庭 信之(サクラバ ノブユキ)