
死の風景
シノフウケイヨーロッパレキシキコウ
- 著: 立川 昭二

死のかたちは時代や社会により異なる。歴史にみる飢餓やペストによる死は集団的・瞬時的であり、現代のガン死や交通事故死は個別的・散発的な死因構造を持っている。人類の歴史の中で、死の諸相は文明や風土とどうかかわってきたのか。近代医学誕生の契機となった大疫病の爪痕の残る古都を歴訪、ひたすら健康を希求して死を忘れようとする現代人が見失った〈生と死の尊厳〉を感銘深く説いた名著。
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目次
・死のかたち──機内で
・生と死の境い──カイロ
・飢えと肥満と──ルクソール
・悲しみの女神──アテネ
・のこされた病歴(カルテ)──テーベ
・蛇の夢──エピダウロス
・少女の墓──アテネ
・血と骨──ローマ
・「汚れた者」──アッシジ
・死の勝利──フィレンツェ
・『往生術』──ピサ
・塔あるいは舞踏──シュタイア
・奢侈(しゃし)そして毒──ザルツブルク
・「死を想え(メメント・モリ)」──ライデン
・解剖学とオルガン──パドヴァ ほか
書誌情報
紙版
発売日
1995年08月04日
ISBN
9784061591929
判型
A6
価格
定価:855円(本体777円)
通巻番号
1192
ページ数
276ページ
シリーズ
講談社学術文庫