
「新しい歴史学」とは何か
アタラシイレキシガクトハナニカアナールハカラマナブモノ
- 著: 福井 憲彦

19世紀後半からフランス歴史学界の主流を占めた実証主義に対して、アンチ・テーゼとして登場したアナール派。その主張は、限定した学問体系を別個に打ちたてることではなく、逆に歴史を狭い専門領域の囲いから解放することであった。歴史における時間と空間の多層性を認識の前提にして、「フォークロア」や「死と生」「都市空間」など多様な領域をとりあげ、歴史学を人間諸科学の総体として捉えた好著。
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目次
●1 「日常性」と近代の権力秩序
近代における文化の諸相
「監獄の時代」としての近代
●2 フォークロアのまなざし
歴史とフォークロア
ミレーの「洗濯女」から
●3 死と生の歴史学
クリオとタナトス 死の歴史学
家族の多様性 フランスの家族史から
●4 都市空間と民衆行動
ポリエードルとしての都市
19世紀の都市と民衆
労働大衆と消費文化 世紀末からベル・エポック
書誌情報
紙版
発売日
1995年10月03日
ISBN
9784061592018
判型
A6
価格
定価:961円(本体874円)
通巻番号
1201
ページ数
302ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1987年4月、日本エディタースクール出版部刊