
日本人と浄土
ニホンジントジョウド
- 著: 山折 哲雄

平安時代以降の日本仏教には、2つの強い流れがある。「生」の意味を追求した密教と「臨死」の課題を背負って発展した浄土教である。本書は、空海の密教をはじめ、法華経信仰と阿弥陀信仰、山岳修験と山中浄土、親鸞の海上浄土など、2つの伝統仏教を対比交錯させながら、浄土に往生するという思想の探索をさまざまな角度から論じる。日本人の心底深く流れている浄土信仰に光を当てた注目の書。
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目次
1 日本人の浄土信仰
1.新しい仏教の時代
2.密教の宇宙
3.法華経信仰と女人成仏
4.阿弥陀信仰と浄土往生
2 山岳信仰と山中浄土
1.東西2つの修験道
2.出羽三山と大峰熊野
3.修験道と聖水信仰
4.神仏共存の山中浄土観
5.山の彼方の理想国
3 密教と修験道
1.無の瞑想とイメージの瞑想
2.十界修行と心の浄化
3.マンダラの日本的展開
4 鴨長明の浄土
1.鴨長明の生涯
2.長明における生と死
3.宗教と芸術の統一
4.晩年の思想
5 親鸞聖人の浄土
1.親鸞の海と山の体験
2.日本人の信仰の特色
3.親鸞の「海上浄土」
書誌情報
紙版
発売日
1995年11月06日
ISBN
9784061592056
判型
A6
価格
定価:990円(本体900円)
通巻番号
1205
ページ数
298ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
日本人の浄土信仰
初出
梅原猛監修『人間の美術』5 学習研究社、1990年
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作品名
山岳信仰と山中信仰
初出
季刊『自然と文化』38号日本ナショナルトラスト、1992年
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作品名
密教と修験道
初出
『出羽三山と日本人の精神文化』ぺりかん社、1994年
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作品名
鴨長明の浄土
初出
『鴨長明を語る―NHKこころをよむ』日本放送出版協会、1990年
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作品名
親鸞聖人の浄土
初出
『親鸞思想と現代』龍谷大学宗教部、1995年