
ニーチェ
ニーチェ
- 著: 山崎 庸佑

近代の精神状況についての鋭い分析や、徹底した文明批判を通じて、現代思想全般にわたり強い影響をあたえた知の巨人ニーチェ。「知的誠実」さを根底にすえつつ人間の究極の拠りどころを求め苦闘し、根源の生を「ディオニュソス的」なものとして提示した哲学者ニーチェの思索と、狂を発して歿するまでの生の軌跡をあざやかに描出。多様な側面からニーチェの人と思想の全容を解明してみせた意欲的労作。
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目次
1 ニーチェの思想
1.人間の拠りどころとはなにか
2.西洋思想史上のニーチェ
1.反ヘーゲル主義
2.合理主義と非合理主義
3.ニーチェ思想の大要
1.知的誠実とニヒリズム
2.遠近法主義
3.力への意志
4.永遠回帰
4.日本人の対ニーチェ関心
1.高山樗牛のばあい
2.登張竹風のばあい
3.樗牛・竹風と逍遙一派のニーチェ論争
4.和辻哲郎のばあい
5.阿部次郎のばあい
2 ニーチェの生涯
1.幼少年時代
2.大学生時代
3.教授時代
4.放浪時代
3 ニーチェの著作
著作概観
1.『悲劇の誕生』
2.『反時代的考察』
3.『人間的なもの、あまりに人間的なもの』
4.『曙光』
5.『悦ばしい知識』
6.『ツァラトゥストラはかく語った』
7.『善悪の彼岸』
8.『道徳の系譜』
9.『ヴァーグナーの場合』『偶像のたそがれ』『反キリスト者』『ニーチェ対ヴァーグナー』『この人を見よ』
10.遺稿集、あるいは『力への意志』
4 ニーチェと現代思想
――歴史哲学としてみたその思想の意義
1.「歴史哲学」のゆくえ
2.価値評価の問題
3.歴史の地平と感性の復権
書誌情報
紙版
発売日
1996年01月10日
ISBN
9784061592100
判型
A6
価格
定価:1,595円(本体1,450円)
通巻番号
1210
ページ数
504ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
「人類の知的遺産」シリーズの『ニーチェ』小社刊