
聖なる場所の記憶
セイナルバショノキオクニホントイウシンタイ

日本文化を考えようとする時、「聖なる場所」は特別の意味をもっており、例えば神は、ある特定の山、川、海などに鎮まるとされる。そこにはある特殊な情報や記憶が融合されて、人間の想像力というよりも、場所のもつ力が人間に憑依して、そこを特別の聖域にしていくのである。国学者・篤胤や折口の思想は、いかなる場所から現れ出たのだろうか。異能の宗教哲学者が初めて構想した日本の精神地理学。
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目次
●1 場所と国学
・1 奇童たちの家──江戸・気吹舎(いぶきのや)・平田篤胤(ひらたあつたね)と再生少年勝五郎
1 再生少年勝五郎の「霊界モノガタリ」
2 もののけ国学者・平田篤胤の悲しきわが「家」
3 奇童たちの「家」 ほか
・2 異訳する国学者・折口信夫──魂のアルケオロジーのために
1 アンチ民俗学の刺客・三島由紀夫
2 折口信夫と新国学
●2 場所と鉱物
・3 鞍馬山(くらまやま)の魔の「空間」──「神」と「魔」のトポロジー
1 鞍「馬」は「魔」空間への入口か?
2 鞍馬山の魔物
3 場所の記憶ともののけ感覚 ほか
・4 アーカシック・レコード──ゲーテ/賢治/シュタイナー
1 場所の記憶
2 花崗岩の謎
3 宮沢賢治の花崗岩体験 ほか
●3 場所の記憶
・5 日本という身体
1 江戸の終わり──東国、鎌倉、中世、保元、平治の乱
2 四つのチ殻変動──中世、過去、未来
3 根源文化衝動──賢と愚と狂と奇と悪と偽 ほか
書誌情報
紙版
発売日
1996年02月09日
ISBN
9784061592179
判型
A6
価格
定価:1,265円(本体1,150円)
通巻番号
1217
ページ数
428ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
解説: 荒木 美智雄(アラキ ミチオ)