
曹操
ソウソウサンゴクシノカンユウ
- 著: 竹田 晃

中国史上もっともドラマチックな時代――三国時代の幕を開き、その立役者となった曹操。彼は主家を奪った逆臣として悪名高く、〈乱世の奸雄〉と評されてきたが、政治家として、また詩人としてもまことに優れた人物であった。名族の出身でもない曹操が、濁流のなかから身を起こし、一時代を回転させる軸となっていく軌跡と彼の人間的魅力は、現代人の心を惹きつけてやまない。真の曹操像にせまる好著。
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目次
1 「濁流」の系譜
1.漢王朝の癌――外戚と宦官
2.宦官天国
3.曹操の祖父
2 風雲児登場の舞台
1.曹操の父
2.「濁流」に挑む「清流」――党錮の事件
3.苦しむ民衆
4.呪術的な雰囲気
5.黄巾軍の決起
3 治世の能臣か乱世の姦雄か
1.曹操の伝記資料
2.機警・無頼そして異才
3.治世の能臣たりえず
4.乱世の姦雄への転身
4 黄色い光を放つ星
1.打倒董卓
2.天子を奉じて
3.袁紹に勝つ
4.河北平定
5 天下三分
1.南進成らず
2.「求賢令」と「述志令」
3.天下なお安定せず――姦雄死す
6 曹操をめぐる人びと
1.骨肉の愛
2.性は忌なり
7 曹操の文学
1.曹操と建安詩壇
2.政治家としての理想を歌う
3.人の心の悲しみを知る
4.神仙への憧れと現実への回帰
書誌情報
紙版
発売日
1996年03月08日
ISBN
9784061592209
判型
A6
価格
定価:990円(本体900円)
通巻番号
1220
ページ数
262ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
’73年7月に評論社より刊行