
近代欧州経済史入門
キンダイオウシュウケイザイシニュウモン

近代資本主義はどのように成立したか。本書は15世紀末の地理上の発見が触発した商業革命から17世紀の初期資本主義の完成までを論述。中世後期の東邦貿易の支配者ヴェニスは、東インド新航路の開拓によりポルトガル、スペインにその座を奪われ、さらに新興国のオランダ、イギリスが新大陸貿易の主要品「毛織物」の生産地として台頭する。転換期における大国の興亡と資本主義成立過程を説く名著。
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目次
【前編 近代欧州経済史における毛織物工業の地位】
●第1章 商業革命と毛織物工業
第1節 端緒――中世後期における東邦貿易の規模と特質
第2節 東インド新航路の開拓が東インド貿易に及ぼした影響
第3節 新たに展開せられた新大陸貿易の規模と特質
第4節 展望――商業革命が欧州の毛織物工業に与えた画期的意義
●第2章 オランダ及びイギリスの興隆と毛織物工業
第1節 16世紀及び17世紀初頭におけるスペイン
第2節 16世紀末及び17世紀初頭におけるオランダ
第3節 16世紀末及び17世紀におけるイギリス
第4節 帰結――毛織物工業の発達と初期資本主義の型
【後編 毛織物工業を支柱とするイギリス初期資本主義の展開】
●第1章 イギリス初期資本主義における毛織物工業の地位
第1節 近代イギリスにおける産業の基軸
第2節 毛織物工業を基軸とする前期的資本の展開
第3節 毛織物工業における資本主義の発生といわゆる綜画(囲い込み)運動の展開
●第2章 イギリス初期資本主義の支柱たる毛織物工業の経営形態
第1節 16世紀半ばより17世紀半ばにわたる期間の織元
第2節 織元の2つの型――農村の織元と都市の織元
●第3章 イギリス「初期資本主義」の型
第1節 農村の織元層展開の歴史的条件
第2節 毛織物工業を基軸とするイギリス初期資本主義の展望
書誌情報
紙版
発売日
1996年05月10日
ISBN
9784061592261
判型
A6
価格
定価:902円(本体820円)
通巻番号
1226
ページ数
264ページ
シリーズ
講談社学術文庫
著者紹介
解説: 中村 勝己(ナカムラ カツミ)