生命科学

生命科学

セイメイカガク

講談社学術文庫

「生命科学」は、1970年代に日本で提唱された学問の新領域である。物理科学を基盤に生命現象の本質を追究しつつ、人文・社会科学諸部門との協調のなかで、人間がその生を全うし得る社会の建設を目的とする。環境汚染や医の倫理の乱れなど人間をとりまく状況が混迷を深めゆく今日、生命科学の提起した課題はますますその比重を増しつつある。本書は「生命科学」の全貌を見渡す絶好の入門書である。


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目次

【はじめに】
●1 生命と生命科学
●2 生命科学ということば
 ・1総合化された生物学
 ・2生命探究への科学的アプローチ──生命の起源──
 ・3アメリカでのライフサイエンスと日本の生命科学
●3 生命科学では生命をどのようなものととらえるか
 ・1生物活動の特性
 ・2生命の歴史性
 ・3生物の合目的性と階層性
【生命科学とは】
●1 人間科学の中での生命科学の位置づけ
 ・1人文・社会科学の中から生まれた人間科学
 ・2医学
 ・3人間を知ることのむずかしさ
●2 生命科学研究の現状
【生命科学の誕生】
●1 学問的背景
 ・1生物学の進歩
 ・2人間科学の生物科学への接近
●2 社会的背景──生活する人間からの要求──
 ・1生命科学を求めた要因
 ・2沈黙の春
【生命科学の課題】
●1 生命科学と技術
 ・1生命科学研究の成果を利用した技術
 ・2人間の病気治療や健康増進のための工学的技術
●2 生命科学の進展による倫理・価値観の変化
 ・1死
 ・2人工臓器・臓器移植
 ・3人工生物
●3 新しい人間科学
 ・1個性ある研究
 ・2研究対象の個性

書誌情報

紙版

発売日

1996年06月10日

ISBN

9784061592315

判型

A6

価格

定価:1,012円(本体920円)

通巻番号

1231

ページ数

314ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

1975年講談社サイエンティフィクから刊行

著者紹介

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