私という現象

私という現象

ワタシトイウゲンショウ

講談社学術文庫

文学も実人生も虚構であることに変わりはない。事実そのものがすでに操作されたものなのだ。私をひとつの現象と見なす考え方は、文学作品の質を、それが事実に基づくかいなかによって判断しようとする立場を無効にする……。〈自我の崩壊〉ということ自体が主題となった現代文学の困難を的確に解説、〈現象としての自己〉の様々なありようを、物語の終焉を体現する作家達を通して考察した第一評論集。


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目次

・批評、または私という現象
・文学の終焉──自己表出の行方
・芸術の転換、または方法としての演劇
・大岡信、あるいは祝祭のための劇場
・入沢康夫、あるいはなぜ詩は怒りか
・谷川俊太郎と沈黙の神話
・サイエンス・フィクション、または隠れたる神
・筒井康隆と自意識の遊戯
・金子美恵子、または物語の作者と作者の物語
・那珂太郎と山口昌男、または祝祭としての虚無
・修辞的なこだわり、または吉岡実への助走
・小島信夫と田中小実昌、または反転する文学

書誌情報

紙版

発売日

1996年10月09日

ISBN

9784061592506

判型

A6

価格

定価:946円(本体860円)

通巻番号

1250

ページ数

274ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

’81年1月、冬樹社より刊行

著者紹介

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