日本憲法思想史

本書は、法思想における国体論をはじめ穂積八束・上杉慎吉・美濃部達吉など代表的な憲法学者の法理論を追究し、さらに敗戦史の法哲学から国民主権と天皇制、マッカーサーと戦後民主主義、日本国憲法の正統性問題までを論じた。旧憲法学史研究には、ケルゼン的なイデオロギー批判的手法をとり入れ、新憲法については、戦後民主主義の忠実な擁護のつもりという著者が説く、日本国憲法の思想と歴史。

目次

●1　明治憲法の思想
　1　「国体」と「憲政」
　2　穂積八束
　3　上杉慎吉伝
　　・1　生い立ち
　　・2　初期の「機関説」
　　・3　留学中の「回心（えしん）」　ほか
　4　美濃部達吉の法哲学
　　・1　社会心理主義
　　・2　概念法学批判
　　・3　国家法人説　ほか
●2　日本国憲法の思想
　1　敗戦後の法哲学
　2　国民主権と天皇制
　　・1　ポツダム宣言と「国体」
　　・2　美濃部達吉の「国体」護持論
　　・3　宮沢俊義の「8月革命説」　ほか
　3　2つの憲法と宮沢憲法学
　4　マッカーサーと戦後民主主義
　　・1　1945年の世界
　　・2　マッカーサーの「正義」
　　・3　マッカーサー崇拝　ほか

書誌情報

紙版

• 発売日: 1996年11月08日
• ISBN: 9784061592568
• 判型: A6
• 価格: 定価：855円（本体777円）
• 通巻番号: 1256
• ページ数: 286ページ
• シリーズ: 講談社学術文庫

初出

収録作品参照

収録作品

• 作品名
  初出

• 作品名

  「国体」と「憲政」

  初出

• 作品名

  穂積八束

  初出

  塩見俊隆・利谷信義編『日本の法学者』日本評論社、１９７５年

• 作品名

  上杉慎吉伝

  初出

  柳瀬良幹先生東北大学退職記念『行政行為と憲法』有斐閣、１９７２年

• 作品名

  美濃部達吉の法哲学

  初出

  『国家学会雑誌』第８２巻１・２号、１９６９年５月

• 作品名

  敗戦史の法哲学

  初出

  『社会科学の方法』１９７１年３月

• 作品名

  国民主権と天皇制

  初出

  『ジュリスト増刊』小島和司編「憲法の争点」有斐閣、１９７８年

• 作品名

  二つの憲法と宮沢憲法学

  初出

  『創文』１９６９年１２月

• 作品名

  マッカーサーと戦後民主主義

  初出

  『中央公論』１９７４年８月

• 作品名

  日本国憲法の正統性問題

  初出

  『アウローラ』第３号、１９９６年５月

著者紹介

著： 長尾　龍一（ナガオ　リュウイチ）

製品関連情報

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