
保田與重郎
ヤスダヨジュウロウ

近代日本の文明開化を徹底批判し、戦後は好戦的文士として公職追放を受けた保田與重郎。著者は、厖大な資料を駆使して、保田の戦時中の歩みだけでなく、戦後30数年に及ぶ思想の一貫性を確認。戦時下の保田があれだけ若者を魅きつけたのは、日本主義や好戦思想のためでなく、「死」を真に意味づけうるものが、その真摯な思索の中にあったからだと説く。復古派文人・保田與重郎の批評精神の軌跡。
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目次
●1 偉大なる敗北の歌――戦前
・1 戦後の受難
・2 「やぽん・まるち」
・3 ロマン的イロニイとレアリズムの意識
・4 文明人的藝術意識と大衆
・5 革命の神話(ミュトス)
・6 「ウェルテル」と近代の楽園喪失
・7 「文明開化の論理」と日本主義
・8 「偉大なる敗北」の予感
●2 紙なければ、空にも書かん――戦後
・1 敗戦期
・2 永遠の日本の暮し
・3 絶対平和論
・4 もう1つの大東亜戦争
・5 文学における「近代の終焉」
・6 国有の生の時間
書誌情報
紙版
発売日
1996年12月10日
ISBN
9784061592612
判型
A6
価格
定価:812円(本体738円)
通巻番号
1261
ページ数
246ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1983年10月、新潮社から刊行
収録作品
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作品名初出
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作品名
偉大なる敗北の歌
初出
『新潮』昭和50年5月号(原題「保田與重郎―昭和批評の一軌跡
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作品名
紙なければ、空にも書かん
初出
『新潮』昭和50年12月号(原題「戦後の保田與重郎」
著者紹介
解説: 高橋 英夫(タカハシ ヒデオ)