座の文学

座の文学

ザノブンガクレンジュシントハイカイノセイリツ

講談社学術文庫

座とは何か。日本独特の文芸形式である俳諧の本質は、人の和をもって始まり、それをもって終わる。すなわち、俳諧における座とは、文芸的な人間連帯である連衆心(れんじゅしん)を営んだ場である。孤独を自覚する者同士が、日常性とは別次元の関係でつながり、生きる楽しみを共にする。俳聖・芭蕉にとって座こそ、その詩情を誘発し、増幅し、普遍化する、いわばかれの詩の成立に不可欠の媒体であったと説く名著。

この『座の文学』という労作は、俳諧というものが、根本的に「睦み合う連衆心」の産物であり、孤高の態度で他者を見くだし、拒絶する行き方とは正反対のものであるゆえんを、感嘆すべきねばり強い説得力をもって説き明かしている。(大岡信・解説より)


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目次

1 座の文学
2 芭蕉
3 蕪村
4 一茶
5 古池の跡

書誌情報

紙版

発売日

1997年11月10日

ISBN

9784061593053

判型

A6

価格

定価:1,078円(本体980円)

通巻番号

1305

ページ数

380ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

1973年、角川書店より刊行

著者紹介

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