
白旗伝説
シロハタデンセツ
- 著: 松本 健一

紅白戦で知られるように日本では源氏の旗であり、また弔いの旗でもあった白旗。日本人がその降伏の意味を知ったのは、1853年に来航したペリーが、交戦となって降伏したければこれを掲げよと幕府に白旗を送りつけた時であった。日清・日露戦争までは、戦場において白旗の国際ルールを尊重した日本が、太平洋戦争ではそれを無視して野蛮な戦争を敢行した。日本人が忘却した白旗の歴史を語る力作。
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目次
1 白旗伝説
序の章 少女の白旗
第1章 最初の衝撃
第2章 西洋文明の白旗
第3章 日本の戦争
終の章 運命を背負うもの
2 白旗伝説余波
白旗伝説異聞――大川周明『日本二千六百年史』をめぐって
通商か戦争か――ペリーの白旗をめぐって
3 日本が忘却した白旗
白旗伝説を再考する
ペリー来航と阿部正弘の外交
白旗伝説の内部深くに――会津藩は白旗をかかげなかったか
書誌情報
紙版
発売日
1998年05月08日
ISBN
9784061593282
判型
A6
価格
定価:1,056円(本体960円)
通巻番号
1328
ページ数
284ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
白旗伝説、白旗伝説余波、白旗伝説異聞、通商か戦争かを単行本『白旗伝説』(1995年5月、新潮社刊)に収録。
収録作品
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作品名初出
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作品名
白旗伝説
初出
『群像』1993年4月号
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作品名
白旗伝説余波
初出
『日本経済新聞』1993年5月30日
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作品名
白旗伝説異聞
初出
『新潮45』1994年2月号
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作品名
通商か戦争か
初出
『日本及日本人』1994年盛夏号
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作品名
日本人が忘却した白旗
初出
『朝日新聞』1996年3月4日
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作品名
白旗伝説を再考する
初出
『産経新聞』1997年5月17日
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作品名
ペリー来航と阿部正弘の外交
初出
『阿部正弘のすべて』新人物往来社編 1997年9月
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作品名
白旗伝説の内部深くに
初出
『群像』1998年2月号