
髑髏の結社・SSの歴史(上)
ドクロノケッシャ・エスエスノレキシ

「親衛隊兵士よ、忠誠こそ汝の名誉」理想も思想もなく、ただ総統への忠誠にのみ支えられた集団
ナチス・陰の帝国の全貌
黒い制服を身にまとい、第3帝国の警察権と謀報機関を掌握し、欧州を恐怖におとしいれたナチス親衛隊。膨大な、収集情報・記録文書や出版物、当事者の証言をジャーナリスティックな視点で読みとき、結社の内情を冷徹に分析する著者の筆は冴えわたり、今なお我々を呪縛する〈SS神話〉を解体していく。ナチス研究史に大きな足跡を残す名著、待望の文庫化。
SSの世界は異様で不合理で、あらゆる論理からへだたっていた。しかし、その世界に与えられたもろもろの解釈もまた、皮相の論理性とは裏腹に異様だったといわねばならない。歴史の示すSSの実体は、悪魔的な計画性とは反対の偶然性と自律性で運営された組織であった。SSの歴史は理想主義者と犯罪者、権力渇望者とロマンチストの歴史であった。またそれは、とても夢物語とは思えない1つの「結社の歴史」であった。――本書「第1章」より
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目次
●第1章 序説
●第2章 SSの形成
●第3章 ハインリヒ・ヒムラー
●第4章 ボディガードから党警察へ
●第5章 権力の掌握
●第6章 レーム一揆
●第7章 SS結社
●第8章 ハイドリヒとゲシュタポ
●第9章 SD――SS保安諜報部
●第10章 RSHA――帝国公安本部
●第11章 SSと国外政策
書誌情報
紙版
発売日
2001年07月10日
ISBN
9784061594937
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
通巻番号
1493
ページ数
512ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
備考参照