
戦国時代の貴族
センゴクジダイノキゾク
- 著: 今谷 明

衰微する宮廷、活気に満ちた京都町衆
上洛を目指す戦国大名……
戦国期・京都の群像
応仁の乱の終息から50年。20歳の青年貴族・山科言継(ときつぐ)がしるした日記は、以後、半世紀にわたり書き綴られた。見聞を克明に描いた時代の記録として、高い史料的価値をもつ日記が語る、皇室御領や有職故実、医薬・音楽・文学・芸能、京畿の政治動向と社会的事件の数々。激動の時代、京に生きた公家と町衆、そして武将の姿を、一公卿の日記が活写する。
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目次
第1章 山科家の家産
1 家祖と家系
2 名字の地――山科七郷――
3 供御人と座
4 飛行する荘園
5 山科家の日乗
第2章 その時代
1 堺公方府の成立
2 京都燃ゆ
3 晴元政権の推移
4 京郊の戦国城郭
5 三好長慶と松永久秀
第3章 衰微する宮廷
1 言継の生涯と宮歴
2 家領の退転と窮迫
3 有職・儀礼の式微
4 地方流寓――戦国城下への旅――
第4章 町の自治と文化
1 禁裏六町
2 町組の成立
3 町組の組織と活動
4 六町の住人たち
5 祇園会と風流
6 洛中洛外図
第5章 群雄上洛
1 信長の入京
2 山門の焼打ち
3 統一への激動
終章 山科家その後
1 「言継卿記」について
2 言経の没落と復帰
山科言継関係略年譜
書誌情報
紙版
発売日
2002年03月08日
ISBN
9784061595354
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
通巻番号
1535
ページ数
416ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
底本:’80年5月、(株)そしえて発行の『言継卿記-公家社会と町衆文化の接点』を底本とした。