茶の博物誌 茶樹と喫茶についての考察

茶の博物誌 茶樹と喫茶についての考察

チャノハクブツシチャジトキッサニツイテノコウサツ

講談社学術文庫

「茶大国イギリス」を生んだ18世紀欧州最高の茶論

「東洋のちっぽけな葉」が大英帝国を制覇した。17世紀イギリスに上陸し、爆発的に広まった中国・日本発の奇妙な熱い飲み物。「毒か薬か」という大論争のさなか、著者レットサムは、茶の植物的特質、製法、紅茶・緑茶の種類、人体への影響などを、文献や実験・観察を通して丹念に調べぬく。18世紀ヨーロッパ最高の茶論と評価された西欧茶研究の古典、全訳成る。

中国人は、現在ヨーロッパでおこなわれているのと同じやり方で、茶葉に熱湯を注いでその浸出液を注ぎだす。しかし中国人はそうしてできた飲み物を、砂糖やミルクを加えずにそのまま飲む。日本人は茶葉を手でひく臼で挽いて細かい粉にする。そしてその粉に熱湯をまぜ、やや薄めのどろどろした液体にして、この状態のものを啜って飲む。特に貴族や裕福な人々はこの飲み方をする。――(本書より)


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目次

第1部 茶樹の自然誌
茶の博物誌(綱と目)/茶の異名/茶の起源/土壌と栽培/茶摘み/製茶法と保存法/茶の種類/喫茶法/代用茶/種子の保存法
第2部 茶の医学誌
茶の医学的研究/喫茶の人体への影響/茶とハーブ/茶と銅・砂糖・アヘン/症例(1)刺激物質/症例(2)憂鬱症/茶の優越性/中国における喫茶/茶と食生活の変化/喫茶と体質/芳香揮発性成分とエキス/茶と民族性/医薬品としての茶/茶の効用/茶の魔力
解説
『茶の博物誌』誕生とその背景/レットサムの生涯/『茶の博物誌』について

書誌情報

紙版

発売日

2002年12月10日

ISBN

9784061595767

判型

A6

価格

定価:880円(本体800円)

通巻番号

1576

ページ数

224ページ

シリーズ

講談社学術文庫

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