王朝政治

王朝政治

オウチョウセイジ

講談社学術文庫

本格的な平安時代政治史
藤原氏・天皇・公卿の熾烈な攻防

華麗な王朝文化を連想させる平安時代、その政治とは一体いかなるものだったのだろうか。藤原氏は、律令支配体制崩壊の中、試行錯誤の末、摂政・関白制度の妙策を案出し、王朝政治を確立した。冬嗣・基経・道長……。藤原氏覇権獲得の経緯は?天皇・公卿との熾烈な攻防や財政・軍事・警察制度など9~11世紀の政治の実態を解明する平安時代政治史。

私は本書で、8世紀律令支配の基盤であったところの比較的安定した社会構造が動揺していく事態に直面し、王朝貴族がいかに対処していったかを、その政策路線に注意し、とりあげていきたいと思っている。王朝政治を退廃ないしたかだか権力争奪史に矮小化することなく、国政運営に抱負をもつ政治家に指導されていたことを明らかにし、そのイメージを豊かにするのが私の願いである。――(本書「はじめに」より)


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目次

概観 律令支配と王朝政治
一.太政官制と摂政・関白
 1.太政官制
 2.政務執行の手続き
 3.摂政と関白
二.王朝政治の展開
 1.政治改革への模索
 2.平安初期政治の基調
 3.寛平・延喜の治
 4.摂関政治の成立
 5.摂関期の政治動向
三.王朝政治と財政および軍事・警察
 1.財政
 2.軍事・警察
 3.武士の台頭
四.王朝政治と民衆
 1.異端の信仰
 2.御霊信仰
 3.志多羅神入京
五.王朝貴族と学問・思想
 1.王朝貴族と教育
 2.王朝政治思想
 3.王土王民思想

書誌情報

紙版

発売日

2004年01月11日

ISBN

9784061596320

判型

A6

価格

定価:1,100円(本体1,000円)

通巻番号

1632

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

底本:1979年7月、教育社刊『王朝政治』を底本とした。

著者紹介

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