万延元年の遣米使節団

万延元年の遣米使節団

マンエンガンネンノケンベイシセツダン

講談社学術文庫

77人のサムライ アメリカを往く
羽織、袴に二本差しでアメリカ大陸を闊歩

安政から万延と改元された年の春3月、総勢77名のサムライが、幕府初の遣米使節団としてサンフランシスコに到着した。随行船は咸臨丸、日米修好通商条約の批准書交換のためである。米国各地で熱狂的な大歓迎を受けた彼らの日記や回想録、現地の新聞記事等を駆使してその旅の全容を再現。長い鎖国の後の衝撃的な異文化体験が、生き生きと甦る。

……ニューヨークの市会議員から聞いた話では、[使節団員には]じゅうたんの上につばを吐きかけた者もいたということである。突然ゆったりしたズボン(袴)をたくし上げ、あぐらをかいて坐ったとき、御婦人方はちょっとびっくりしたし、ふくらはぎの部分があらわになったので人の注目する所となった。しかし、その男はとても落ちついていたので、婦人たちはくすくす笑い、見て見ないふりをした。(ワシントンのホテルにて。『ニューヨーク・タイムズ』紙、1860・5・16付)


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目次

第1章 サンフランシスコへ
第2章 パナマ経由アスピンウォールへ
第3章 ワシントン滞在
第4章 フィラデルフィア滞在
第5章 ニューヨーク滞在
第6章 江戸への帰航
第7章 遣米使節――検証

書誌情報

紙版

発売日

2005年03月12日

ISBN

9784061596993

判型

A6

価格

定価:1,210円(本体1,100円)

通巻番号

1699

ページ数

352ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

底本:1990年10月に新潮社より刊行された『万延元年のアメリカ報告』を底本とした。

著者紹介

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