
物語による日本の歴史
モノガタリニヨルニホンノレキシ

英雄や庶民の物語が日本の姿を描き出す
若き日の網野善彦氏が編集担当した名著
国の始まりを説く国引き・国作り・国生みの物語。山や川に宿る神々たちの物語。国を讃え家族を想う万葉の歌。王朝時代の伝奇的あるいは絢爛たる物語。時代時代の想像力が描き出す日本の姿。古事記・風土記から源氏・竹取・平家物語まで、古典文学の中に生きる英雄や庶民の活動を読むことで歴史が浮かび上がる。
本を読む喜びを知るようになった頃、網野さんは私に歴史学の最初のレッスンをほどこしてくれた。「おみやげだよ」と言って手渡されたのは、むしゃこうじみのる(武者小路穣)と石母田正の書いた『物語による日本の歴史』(1957年)という本だった。「日本史でも、ようやくこういう本が書かれるようになったのです」と、網野さんは興味深げにその本をのぞき込んできた父に、説明をはじめた。――<中沢新一『僕の叔父さん 網野善彦』集英社刊より>
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目次
第1話 国のはじまり
第2話 ヤマタノオロチ
第3話 国々のむかし話
第4話 倭建命
第5話 青丹よし
第6話 むかしがたりの歌
第7話 国々の歌
第8話 防人の歌
第9話 奈良の都のころの話
第10話 春のにしき
第11話 世継のむかし話
第12話 光源氏の物語
第13話 四季のながめ
第14話 かぐやひめ
第15話 むかしの旅日記
第16話 平安時代のはやり歌
第17話 信貴山縁起
第18話 鎮西八郎為朝
第19話 いまはむかしの物語
第20話 悪源太義平
第21話 和歌のしあい
第22話 源平の合戦
第23話 西行と実朝
この本で日本史を学ぶ人のために
書誌情報
紙版
発売日
2005年09月11日
ISBN
9784061597235
判型
A6
価格
定価:1,100円(本体1,000円)
通巻番号
1723
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
原本:1957年に學生社より刊行されたものを原本とした。