工藝の道

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工藝の道

コウゲイノミチ

講談社学術文庫

日用雑器の中に美を発見
民藝運動始まりの衝撃の書

伊賀の種壺、朝鮮の飯鉢、下手物(げてもの)にこそ美が存する。宗教学者から民藝研究家に転じた柳宗悦は、工藝美を提唱、全く新しい美の世界を切り拓き、衆目を驚かせた。健康の美、無心の美、他力の美、恩寵の美。工藝は奉仕の道、工藝において衆生は救いの世界に入る。宗教的表現を鏤(ちりば)め、熱く明快に工藝美を語る本書は、人々に深い感銘と強い衝撃を与えた柳美学出発の書である。

民器こそは工藝の主要な領域である。人々はそれを「雑器」といい「下手物」と蔑んでいるが、……渋さの美を知りぬいていた初代の茶人たちは、貴重な彼らの茶器を雑器からのみ選んだではないか。古伊賀の水指は種壺でさえあった。あの茶碗は朝鮮の飯鉢であった。上手の華麗な美で、よく「渋さ」の域に達したものがあろうか。もとより雑器のみが工藝ではない。だが雑器において最も渋い最も自由な生命の美が冴えるのを、誰も否定することができぬ。――<本書「正しき工藝」より>


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目次

工藝の美
正しき工藝
誤れる工藝
来るべき工藝
工藝美論の先駆者について
概要
挿絵について

書誌情報

紙版

発売日

2005年09月10日

ISBN

9784061597242

判型

A6

価格

定価:1,518円(本体1,380円)

通巻番号

1724

ページ数

368ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

ぐろりあ そさえて刊1928年12月20日、春秋社刊『柳宗悦選集』第一巻1955年2月5日、筑摩書房刊『柳宗悦全集』第八巻1980年11月5日を参照。図版については最初の「ぐろりあ そさえて刊」版に拠り春秋社版掲載の挿絵と挿絵小註は割愛した。また、本文表記で明らかに誤りと思われるものは訂正した。

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