
天下統一と朝鮮侵略
テンカトウイツトチョウセンシンリャクオダトヨトミセイケンノジツゾウ
- 著: 藤木 久志

信長と一向宗、秀吉と朝鮮
統一政権への激烈な戦いの歴史
撫(なで)切り・根切りを命じ、一向一揆との徹底的対決の過程で、自らを統一権力として形作ってゆく信長。一揆鎮圧の完成後関白として「日本の治」を唱える秀吉。統一政権を目ざし抜きん出た2人の権力者が抱いた共通の構想は何か。下剋上の組織化が孕んでいた「唐国まで」という大陸侵略の衝動を解き明かし、中世末~近世初めの激動の歴史を捉えなおす。
いき(一揆)おこり、其まゝ前田又左衛門尉殿、いき千人はかり、いけとり(生捕)させられ候也。御せいはい(成敗)ハ、はつつけ、かまにいられ、あふられ候哉。如此候。一ふて(筆)、書きとゝめ候。(中略)蜂起した一揆のうち、千人ほどが前田軍に生捕りにされ、はりつけ・かまいり・焼殺しにあった。この虐殺された一揆びとの怨念をのちの世に語りついでほしいと刻む、凄絶な呪い文が浮かびあがってきたのであった。――<本書より>
- 前巻
- 次巻
目次
序章 石山戦争から朝鮮侵略へ――はじめに
第1章 石山戦争への道
第2章 東海・北国一揆
第3章 石山炎上
第4章 信長の都市、一揆の都市
第5章 未完の天下
第6章 関白政権
第7章 五畿内同前――九州
第8章 田舎と京儀
第9章 侵略への道
第10章 軍需態勢と東アジアの激動
第11章 軍役と民衆
第12章 侵略の果てに
書誌情報
紙版
発売日
2005年10月09日
ISBN
9784061597273
判型
A6
価格
定価:1,485円(本体1,350円)
通巻番号
1727
ページ数
472ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
底本:1975年に小学館より刊行された、『日本の歴史』第15巻『織田・豊臣政権』を底本とした。