近代日本「美学」の誕生

近代日本「美学」の誕生

キンダイニホンビガクノタンジョウ

講談社学術文庫

美術とは?文学とは?
西欧人文学から巣立つ自前の芸術論の近代

フェノロサ『美術真説』と坪内逍遙『小説神髄』によって基礎を打ち立てられた日本の美学。岡倉天心は理念を実践的に展開し、森鴎外はハルトマンを武器に学問としての有効性を定着させる。明治以降、西欧から導入された美学はどのように咀嚼され、固有の美意識をどのように反映させてきたのか。絵画・彫刻・文学・音楽における芸術思想の流れを追う。


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目次

第1部 美学と美術史
 第1章 西洋に対する東洋――岡倉天心の芸術論
 第2章 「日本」の美学の形成――フェノロサから天心へ
 第3章 「日本美術史」と「東洋の理想」――美術史学の構想
 第4章 森鴎外と「美学」――明治美学史への試み
第2部 芸術論の展開
 第1章 青木繁と浪漫主義絵画――芸術の創造性を求めて
 第2章 「緑色の太陽」は「印象派宣言」か――高村光太郎のモダニズム
 第3章 ロダンと彫刻の近代――彫刻の触覚性をめぐって
 第4章 子規のリアリズム――「風流はいづくにもある可し」
 第5章 日本のロマン主義――「文学界」から「日本浪曼派」へ
 第6章 洋楽受容と音楽美学――教育音楽から芸術音楽へ

書誌情報

紙版

発売日

2006年03月12日

ISBN

9784061597549

判型

A6

価格

定価:1,100円(本体1,000円)

通巻番号

1754

ページ数

320ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

原本:本書の原本は2002年9月『美学事始ー芸術学の日本近代ー』として勁草書房より刊行。

著者紹介

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