
「分ける」こと「わかる」こと
ワケルコトワカルコト
- 著: 坂本 賢三

分類――認識と理解のために人間が営む大いなる知的作業
「わかる」ために人間が行なう「分ける」という行為。分類の仕方はまた認識の仕方を決定づける。天と地、三材、四大、五行……世界認識のために引かれる分節線は細分化を通して原理に到り、折り返しなされる再構成の作業が「理解」を導く。古代ギリシャ・東洋の思想から近代哲学・科学まで分類の方法と論理を渉猟し、「わかる」ことの人間的真相に迫る。
教訓その1 分類は認識や行動のために人間がつくった枠組であって、存在そのものの区別ではない。
教訓その2 分類をつくる際には、必ず、「その他」や「雑」の項目をおいておくことが有用である。
教訓その3 「わかる」とは、その分類体系がわかるということであり、「わかり合う」とは、相互に相手の分類の仕方がわかり合うことである。
――<本書より>
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目次
第1章 「わかれ」の論理――分離と統一
第2章 「わかり」の論理――認識と理解
第3章 「わけ」の論理――カテゴリーと範疇
第4章 「ことわけ」の論理――抽象と階層組織
第5章 「わかる」の論理――意義と目的
書誌情報
紙版
発売日
2006年06月10日
ISBN
9784061597679
判型
A6
価格
定価:880円(本体800円)
通巻番号
1767
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1982年、講談社より刊行