
神と自然の景観論
カミトシゼンノケイカンロンシンコウカンキョウヲヨム
- 著: 野本 寛一

日本人はどこに神を感じ 何に祈るのか
日本人は何に神聖感を抱きいかなる景観の中に神を見たのか。噴火する山、揺らぐ大地、暴れる水は畏怖の対象であり、岬・先島は常世への通路、磐座(いわくら)は神霊の核であった。また洞窟・淵・滝・立神などの自然地形に秘められた神意、松・杉・椎・タブなどの巨樹に蔵された侵すべからざる威力。全国各地の聖地の条件を探り、それにまつわる民俗を紹介する。
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目次
緒言 信仰環境論の視角
第1章 環境畏怖要因と信仰の生成
1. 火山と地震
2. 湖口・河口の閉塞と氾濫
3. 暴風・悪霊の防除――鎌の民俗をめぐって
第2章 地形と信仰の生成
1. 岬
2. 浜
3. 洞窟
4. 淵
5. 池
6. 滝
7. 峠
8. 山の結界点
9. 磐座
10. 地獄と賽の河原
11. 川中島
12. 離島――鳩間島へ
13. 神の島――沖ノ島へ
14. 立神・先島・湾口島
15. 温泉
16. 山
第3章 聖樹の風景と伝承
1. 松
2. 杉
3. 椎
4. 栃
5. タブ
6. ガジュマルその他
第4章 環境保全の民俗と伝承
1. 樹木保護の民俗と伝承
2. 水の汚れと池主退去伝説
第5章 神話の風景
1. 天岩屋
2. 高千穂
3. 笠沙岬
4. 鵜戸
第6章 道祖神祭りの風景――甲斐の太陽
書誌情報
紙版
発売日
2006年07月10日
ISBN
9784061597693
判型
A6
価格
定価:1,375円(本体1,250円)
通巻番号
1769
ページ数
296ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
『神々の風景ー信仰環境論の試み』と題して1990年11月、白水社より刊行。