みちの辺の花

みちの辺の花

ミチノベノハナ

講談社学術文庫

カラー版 花への恋情あふれる画文集

春、夏、秋、冬、日本の四季のうつろいを彩る花々、
みちの辺でふと出会う野の花、山の花。蕗の薹(ふきのとう)、蛍袋、藤袴、吾亦紅(われもこう)など可憐に咲く草の花。山茱萸(さんしゅゆ)、梅花空木(ばいかうつぎ)、黒芽柳など野趣に富む木の花。季ごとに届けられる花を美しい色彩で詩情豊かに描き、また、愛する花へのあふれる思いを綿々と綴ってゆく。身近で秘やかに咲く花への恋情こもる画文集。

山野の路傍にこの花を見つけて、「しばらく」と声をかけても、しょんぼりうつむいてだまっている。思いのほか無愛想だから、長く立ちどまって見とれるほど気を惹かない。名のおかげで、ずいぶん得をしている。一抹の幼ごころをよみがえらせ、ほんの一時にせよ、人をいわば詩人に変える魔法が、ほたるぶくろという呼び名にはひそんでいる。――<本書「蛍袋」より>


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目次

季のめぐり 1
 <春> 水仙(すいせん)
       黒芽柳(くろめやなぎ)
       蕗の薹(ふきのとう)
       太郎冠者(たろうかじゃ)
 <夏> 菖蒲(あやめ) 杜若(かきつばた)
       宝鐸草(ほうちゃくそう)
 <秋> 撫子(なでしこ)
       節黒仙翁(ふしぐろせんのう) 時鳥草(ほととぎす)
       三葉木通(みつばあけび)
       嵯峨菊(さがぎく)
 <冬> 金盞花(きんせんか)
       千両(せんりょう)
季のめぐり 2
 <春> 山茱萸(さんしゅゆ)
       接骨木(にわとこ)
       桃(もも)
       山査子(さんざし)
 <夏> 鈴蘭(すずらん)
       梅花空木(ばいかうつぎ)
       蛍袋(ほたるぶくろ)
 <秋> 吾亦紅(われもこう)
       葛(くず)
       藤袴(ふじばかま)
 <冬> 寒菊(かんぎく)
       茅(ちがや) 朮(おけら)

書誌情報

紙版

発売日

2006年09月08日

ISBN

9784061597822

判型

A6

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

通巻番号

1782

ページ数

208ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

原本:本書の原本は1994年5月に小社から刊行。

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