
古代豪族
コダイゴウゾク
- 著: 青木 和夫

藤原氏の誕生、吉備真備の大出世、最後の豪族・将門……
朝廷に蠢き、地方を治めた有力者たちの実像を描く
財産の世襲が、全国各地に豪族を生んだ。弥生時代に誕生した豪族は、律令国家誕生でその性格を大きく変える。反朝廷と親朝廷。地方と都。さまざまな貌の豪族たち。役所と警察と裁判所と税務署をかねた郡司の生活とはいかなるものだったか。藤原氏などの有力豪族はいかにして隆盛したのか。飛鳥時代から最後の豪族・将門の平安中期まで、初期国家に蠢いた有力者たちの実像を描く。
豪族と貴族のちがいはどこにあるのだろうか。感覚的には豪族が土臭いのに貴族は洗練されているといえる。豪族が発生するのは、全国各地に財産の世襲がはじまったときからであるが、貴族はその後に統一国家が成立して、地方から豪族が都に集住したときに、かれら豪族が転化して貴族になるのである。豪族は国家から相対的に自立しているが、貴族は国家に寄生している。また豪族のなかから貴族が発生するが、貴族になれなかった豪族は、そのまま全国各地に存続しうる。国家を破壊する力は貴族にはないが豪族にはある。――<「はじめに」より抜粋>
- 前巻
- 次巻
目次
第1章 激動の時代
第2章 国造から郡司へ
第3章 郡司の館
第4章 地方豪族の諸相
第5章 時代と人物
第6章 時代の転換
第7章 受領と土豪
第8章 古代豪族の最後
書誌情報
紙版
発売日
2007年03月10日
ISBN
9784061598119
判型
A6
価格
定価:1,320円(本体1,200円)
通巻番号
1811
ページ数
416ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
1974年に小学館から刊行された『日本の歴史』第5巻「古代豪族」を文庫化。