
日本精神分析
ニホンセイシンブンセキ
- 著: 柄谷 行人

「日本精神分析」というエッセイは、日本の文化に関する考察である。私はいつも、日本人の経験を、自民族中心主義に陥ることなく、普遍的に意味をもつようなかたちで提示したいと思っていた。しかし、ある意味で、本書のエッセイはすべて、そのような姿勢で書かれている、といえる。ゆえに、本のタイトルを「日本精神分析」としたのである。――〈「学術文庫版へのあとがき」より〉
近代国家を乗り越える道筋を示す画期的論考。資本、国家、ネーションの三位一体が支える近代国家。芥川、菊地、谷崎の短編を手がかりに、近代日本のナショナリズムと天皇制、民主主義、貨幣を根源的に問う。
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目次
第1章 言語と国家
第2章 日本精神分析――芥川龍之介「神神の微笑」
第3章 入れ札と籤引き――菊池寛「入れ札」
第4章 市民通貨の小さな王国――谷崎潤一郎「小さな王国」
書誌情報
紙版
発売日
2007年06月08日
ISBN
9784061598225
判型
A6
価格
定価:1,155円(本体1,050円)
通巻番号
1822
ページ数
304ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2015年01月16日
JDCN
0615982200100011000F
初出
原本:本書の原本は2002年7月、文藝春秋より刊行。