
明六社
メイロクシャ
- 著: 大久保 利謙

初の学術結社・啓蒙雑誌・演説会 「明六社」研究の決定版
明治6年7月、森有礼の発案、西村茂樹らの尽力で、当代一流の洋学者たちが集まり、明六社が結成された。初の学術結社、初の啓蒙雑誌の刊行、初の演説会の開催。近代化をめざし、暗中模索で歩み出した明治初期、彼らは文明開化の思潮を先導し、人々を啓蒙していった。その労苦の跡を辿り、明六社、『明六雑誌』、演説会の実際や意義などを豊富な史料を使って実証的に論じる。
明治6年7月、日本で最初の学術結社として明六社が帝都東京に誕生した。任地アメリカから帰国した新進外務官僚森有礼の提案に、(中略)当代の著名な学者が賛同して集まったのである。明六社は社則を定め、定期的に会合を開き、社員の論文を掲載した雑誌(『明六雑誌』)を発行し、さらに公開演説会も開催し(中略)、一般の人々の啓蒙をめざした。――<本書「まえがき」より>
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目次
第1部 明六社考
1 明六社の結成
2 社員の構成
3 明六社演説――演説会のはじまり
4 『明六雑誌』の発刊
5 明六社の終末―解散――文化史的位置づけ
第2部 明六社関係史料編
1 「明六社制規」集
2 明六雑誌発行趣旨
3 『明六雑誌』総目次・執筆者別索引
4 論文補遺――海関税ノ説 西周
5 諸新聞掲載明六社関係記事
6 森有礼書翰
7 加藤弘之日記抄
8 福沢諭吉著「福沢全集緒言」抄(明治30年)
9 清水連郎(工学士)「瑞穂屋卯三郎のこと」抄
10 植木枝盛日記抄
第3部 関連論文
1 福沢諭吉と明治初期の学界――とくに明六社と東京学士会院を中心として
2 明六社の人々
3 文明開化
書誌情報
紙版
発売日
2007年10月12日
ISBN
9784061598430
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
1843
ページ数
336ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
底本:1976年に立体社から刊行された『明六社考』を底本とし、明六社に関係のある論文を三編追加。なお本文の文章は吉川弘文館刊『大久保利謙歴史著作集』第六巻に収録したものを使用。