最後の遣唐使

最後の遣唐使

サイゴノケントウシ

講談社学術文庫

二度の難破、副使は乗船拒否
それでも強行、最後となった派遣の真相とは?

承和の第十七次遣唐使は、二度の渡航失敗、副使の乗船拒否という前代未聞の事態にも拘らず、政府が派遣を強行、莫大な犠牲を出した。九世紀、連年の飢饉と疫病で疲弊した律令国家は、唐に何を求めようとしたのか。
『続日本後紀』や、随行した僧円仁の『入唐求法巡礼行記』を丹念に読み込み、遣唐大使・副使、政府、僧侶、それぞれの思惑が絡んだ、最後の使節団の苦難の旅路に迫る。

※本書の原本は1978年、講談社より刊行されました。

遣唐副使の要職にあった小野篁は、またなぜ渡航寸前になって、乗船するのを拒否したのか。本書は、そうした謎の解明に始まって、この時の遣唐使が、最後の派遣となったわけをあきらかにしようとした。(中略)二度の渡航失敗、それにつづく副使篁の乗船拒否、そして、それまでの遣唐使にはみられないほどの莫大な犠牲者の数。それらはすべての遣唐使の苦難の道を象徴している。と同時に最後の遣唐使となったわけをも暗示している。――<本書「あとがき」より>


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目次

序章 小野篁の渡航拒否
第1章 承和の遣唐使
第2章 海を渡った遣唐使
第3章 唐における遣唐使
第4章 9世紀の東アジアと遣唐使
終章 遣唐使の終焉

書誌情報

紙版

発売日

2007年11月10日

ISBN

9784061598478

判型

A6

価格

定価:880円(本体800円)

通巻番号

1847

ページ数

224ページ

シリーズ

講談社学術文庫

初出

原本:本書の原本は1978年、講談社より刊行。

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