
中世民衆の生活文化(中)
チュウセイミンシュウノセイカツブンカ
- 著: 横井 清

町と農村。
共同体のダイナミックな構造と規律の表と裏を読み解く
検注帳類に見える「除田」とは何か。そこからは荘園領主に対する手工業者の製品寄与、芸能の専門化など分業体制の姿が浮かび上がる。また、軒を並べた都の町の構造と、住居にふりかかる災厄とはどんなものだったのか。あるいは、自然災害や権力に対抗して生きるための戦いはいかなるものだったのか。激動の時代、町と農村に生きる民衆の実相を追う。
奈良本(辰也)先生から受けた、「人が人を賎視するというのは、どういうことか、 歴史の問題として取り組んでみてはどうか」とのお勧めに、背中をぽんと押されたのである。これで自分が生い育って生活の場としていたお町内からは目と鼻の先の、当時は京都市内最大の規模だった被差別部落との関わりが、自分の学を前へと導いてくれることになった。――<「学術文庫版『中世民衆の生活文化(中)』に寄せて」より>
※本書は1975年に東京大学出版会から刊行された同名の書の第14刷(1999年)を底本とした。文庫化にあたり3分冊にした。
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目次
第4 荘園体制下の分業形態と手工業
第5 室町時代の京都における町屋支配について――中世民衆思想史への試みとして
第6 生きるためのたたかいと規律――中世末~近世初頭民衆史の断面
付論4 中世民衆史における「15歳」の意味
付論5 角倉了以――民衆史のなかの豪商
書誌情報
紙版
発売日
2007年12月12日
ISBN
9784061598492
判型
A6
価格
定価:836円(本体760円)
通巻番号
1849
ページ数
200ページ
シリーズ
講談社学術文庫
初出
底本:1975年に東京大学出版会から刊行された同名の書の第14刷(1999年刊)を底本とし、文庫化にあたり3分冊した。