
中世の音・近世の音 鐘の音の結ぶ世界
チュウセイノオトキンセイノオトカネノネノムスブセカイ
- 著: 笹本 正治

音に託された意味の変化から中近世の日本社会を読む。中世において誓いの場や裁判の場で撞かれていた神聖な鐘は、次第に日常的な音になり、危険や時刻を知らせる役割を果たすようになった。神の世界と人間をつなぐ音から、人間同士をつなぐ音へ。その変遷を、史料に加え民俗学の成果も多分に用いて考察する。記録には残りにくい当時の人びとの感性や感覚を追うことで、中近世の社会・文化を描き出す。
響きわたる鐘の音は人びとに何を告げたのか。古くは神の世界と人間とを繋ぐ音であった鐘の音は、次第に危急や時を告げる人間同士の合図となった。その意識の変化に着目し当時の社会・文化に迫る独自の論考。
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目次
第1章 これまでの研究
第2章 誓いの鐘をめぐって
第3章 他界から来た鐘
第4章 鐘の音の効果
第5章 無間の鐘
第6章 音を出す器具と音の役割
第7章 神仏の出現と音
第8章 夜の世界
第9章 鋳物師に対する意識
第10章 神隠しと鉦や太鼓
第11章 軍器としての鐘や太鼓
第12章 時の鐘
第13章 寺の増加と山のお寺
第14章 鋳物師の増加
第15章 近世の危急を告げる音
第16章 娯楽としての音楽
書誌情報
紙版
発売日
2008年04月12日
ISBN
9784061598683
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
通巻番号
1868
ページ数
352ページ
シリーズ
講談社学術文庫
電子版
発売日
2014年11月28日
JDCN
0615986800100011000C
初出
原本:本書の原本は、1990年、名著出版より刊行。