誰かの見た悪夢

誰かの見た悪夢

ダレカノミタアクム

講談社ノベルス

帰省する途中、大学生の醍醐(だいご)と夢摘(むつみ)は車内に脱走した子供が紛れ込んでいるのを発見した。行きがかり上、送ることになった2人が辿りついたのは醜悪至極な幽霊病院。惨劇の記憶を封印した脱出不可能な館で首切り死体が次々現れ、惨劇はやむ気配すらない。奇怪でおぞましい真相、唯一無二の奇妙な味わいを堪能あれ。

積木鏡介はどこから現れたのか。悪夢と悪夢のはざまから転げ落ちてくる生首のように、この狂熱のサンバ状態を呈する’99年新本格ミステリ・シーンに参入してきた。
誰かの見た悪夢とは、誰かに見られた悪夢である。そしてとりもなおさず、それは誰かに記述される悪夢でもある。──ここで記述される悪夢は奇術のなかの悪夢と変じ、積木鏡介による〈積み木崩し〉と〈鏡地獄〉が始まる。出口は保証のかぎりではない。途中退場もまかりならない。
かくて悪夢喰らいのホラー・ワールドは、循環式殺人ゲームの智恵較べの劇場となる。お代は見てのあとではなく、どぼんと悪夢に浸かりきってから……。積み木崩れの大技を堪能してからあとのこと。──野崎六助


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書誌情報

紙版

発売日

1999年08月05日

ISBN

9784061820906

判型

新書

価格

定価:1,210円(本体1,100円)

ページ数

392ページ

シリーズ

講談社ノベルス

著者紹介