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逆転無罪 少年はなぜ罪に陥れられたか
ギャクテンムザイショウネンハナゼツミニオトシイレラレタカ

婦女暴行殺人犯にされた少年達の無念と悲惨刑事の過酷な取り調べに“偽りの自白”をした結果、アリバイも血液型の不一致も無視され有罪判決。無実を訴える彼らの叫びを追い、冤罪の真相を克明に明かすルポ
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目次
第一章 被告からの手紙
「絶対に無実なんです」
新聞記者のカン
妊婦暴行殺人事件
内縁の夫が“犯人”を追いつめた
消えた“五つの殺人事件”
第二章 説得力のない一審判決
疑問を避けている判決文
冒陳は「虚構の構図」か
起訴事実を公判で否定
検察は有期最高刑を求刑
血液型は不一致ではないか
第三章 予断を持った捜査
控訴審の力強い弁護団
取材班も本格始動
緊急逮捕の必要性はあったのか
供述調書はそろったが
自白への疑問
第四章 自供はウソだ
四十九枚の手紙の迫真力
決して忘れることができない体験
矛盾だらけの供述調書
被害者の乳房を噛んだのは誰だ
鑑定結果は無視された
第五章 アリバイ証人を見つけた
脅迫されたアリバイ証人
「良心の証言」
泣き寝入りはさせない
もう一人の証人は与論島に
友を裏切った苦しさ
第六章 無罪が見えてきた
「つらいから控訴はしない」
「実名報道でお願いします」
希望あふれる四人の年賀状
“脅し”を否定する刑事
一審検事の証言に新たな怒り
第七章 正月は悲しかった
四人は自ら無罪を訴えた
検察の“隠し玉”はなかった
「明々白々の無罪」を主張
判決の日が決まった
「早く母親の手料理を食べたい」
第八章 逆転無罪判決
七年間、待った言葉
裁判長は捜査官の誘導を批判
「ウソついたら恥ずかしい人間になってしまう」
無罪判決を認めたくない人びと
当然の上告断念
第九章 ボクも無罪や
新たな闘い再審請求
被告の能力を承知の上での誘導
仮出所目前の祖母の死
再審は決定したが……
ついに検察も即時抗告を断念
第十章 失われた青春
なぜ公訴取り消しをしない
常識はずれの論告・求刑
裁判長から異例の“謝罪の言葉”が
いま、ささやかな幸福を
終章 法曹の反省
市民が被告になる時
松尾事件の教訓は?
悔やみきれない“一度の自白”
法曹からの提言
あとがき
文庫版へのあとがき
書誌情報
紙版
発売日
1993年12月27日
ISBN
9784061855830
判型
A6
価格
定価:470円(本体427円)
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社文庫
電子版
発売日
2001年04月13日
JDCN
0618558300100011000K
初出
’90年7月小社刊