
お引越し
オヒッコシ

大人も子供も泣いて笑った傑作、待望の文庫化。 美しい京都を舞台に両親の離婚に直面した少女の心の成長を生き生きと描く。 今日とうさんがお引越しをした。今度、お家が2つになります。とうさんとかあさんは仲がよかった。「メじゃない」感じやなかった。2人でニキビの取りっこして、おたがいまだ若いねえって笑ったり、W(ダブ)カセ鳴らして夜中にダンスを踊ったり、いつもまだ恋人みたいやった。私「そんなもの」やないって思ってた。去年の夏は貴船へ3人で行ったのにな。 今日とうさんが引越しをした。3人だった家がこれから、かあさんと私、2人になる。2人が別れるには私のせいやないって、とうさんもかあさんも言(ゆ)うたけど、私のせいやないのに私に関係ある。あんまりや。両親の離婚にゆれる11歳の少女の心模様と成長を生き生きと描いて共感を呼んだ問題作、待望の文庫化!
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書誌情報
紙版
発売日
1995年03月07日
ISBN
9784061859104
判型
A6
価格
定価:556円(本体505円)
ページ数
250ページ
シリーズ
講談社文庫
初出
1990年8月福武書店より刊行
著者紹介
解説: 落合 恵子(オチアイ ケイコ)