水

鋭敏細緻な文体で描出した、古井由吉初期作品世界ーー水差しから救いの水を飲んだ直後、息絶えた病床の母（「水」）。「死にたくない、俺ひとり」と、妻の胸で叫ぶ癌を病む夫（「谷」）。生と死のきわどさ、戦き、微かな命の甦りの感覚を、生理と意識の内部に深く分け入っていく鋭敏な文体で描出した、「影」「水」「狐」「衣」「弟」「谷」の６作による、初期連作短篇集。

ⒸFurui Yoshikichi

書誌情報

紙版

• 発売日: 1994年04月05日
• ISBN: 9784061962705
• 判型: A6
• 価格: 定価：1,046円（本体951円）
• ページ数: 282ページ
• シリーズ: 講談社文芸文庫

電子版

• 発売日: 2021年02月16日
• JDCN: 06A0000000000170279C

初出

『古井由吉作品三』（１９８２年１１月河出書房新社刊）

収録作品

• 作品名
  初出

• 作品名

  影

  初出

  「文学界」１９７１年３月号

• 作品名

  水

  初出

  「季刊芸術」１９７２年春季号

• 作品名

  狐

  初出

  「文学界」１９７２年９月号

• 作品名

  衣

  初出

  「文芸」１９７２年１１月号

• 作品名

  弟

  初出

  「文芸」１９７３年１月号

• 作品名

  谷

  初出

  「新潮」１９７３年１月号

著者紹介

著： 古井　由吉（フルイ　ヨシキチ）

解説： 川西　政明（カワニシ　マサアキ）